甘雨為霖(1786~1872)は、江戸後期~明治初期の曹洞宗の禅僧。不留道人と号す。文政3(1820)年に近江の慈眼院、天保14(1843)年に越前の永建寺に住持した。永建寺に僧堂を建立し、修行僧の数は100人を越えたという。道元六百回大遠忌では、仏乗慈僊とともに修行僧を指導した。戒律に通じ、生涯で結制助化70回、自ら授戒会を行うこと10回、授戒会の戒師に招かれること97回、戒を授けた者は15,800人余といわれる。寂潭俊龍・仏乗慈僊等とともに、江戸時代最後を飾る曹洞宗の碩徳。
本資料は、満戒上堂(戒を授け終わった際に行う説法)の時に示した偈と思われる。