仁如集尭(1483~1574)は戦国時代の臨済宗の禅僧。睡足、雲間野衲、雲泉斎等と号す。播磨の法雲寺・宝林寺等を歴住し、天文13(1544)年に相国寺91世となり、永禄3(1560)年鹿苑僧録となる。天正2(1574)年霊泉軒に退き、同年92歳で示寂。晩期の五山文学を代表する禅僧で策彦周良らと深交した。著述に『鏤氷集』がある。
本資料は芸州(現広島県)の少林禅寺(未詳)の清隠座元という僧が得た「奇石」について仁如が詠んだ詩偈。「芸州少林禅寺…」は詩偈の前に述べた序で、「張騫聞昔到崑山…」は前漢の張騫が崑崙山脈で支機石(織姫が機織りの土台に使う石)を手に入れたという伝説になぞらえている。