巨海東流(1779~1853)は江戸後期の曹洞禅僧。越後国出身。碓房・梅道人と号す。信濃大聖寺、志摩常安寺などを歴住し、天保3(1832)年、武蔵豪徳寺22世となり、示寂まで21年間つとめた。
絵画や詩文に秀でたことで知られ、骸骨図のほかに、号が示す如く梅に関する書画を好んだ。また『永平発菩提心辨解』『普勧坐禅儀並坐禅箴辨解』などを著し、道元の著述の注釈を行うなど、宗意の高揚に尽くした。
本図は滑稽な骸骨の姿と七言絶句の賛に、人生の無常観を表現している。類似した画賛が『永平発菩提心辨解』(1844年刊)の挿絵に収録されている。