卍山道白が着賛した蘆葉達磨図。画者は未詳。
禅宗の初祖・達磨を描いた図はさまざまな画題がある。インドから中国にやってきた達磨は、梁の国の武帝に招かれ禅を説いたが、機縁がないと知り、揚子江(長江)を渡り北魏へ向かった。その時、一茎の蘆に乗って渡江したという伝説に基づいた図が蘆葉達磨図である。達磨の足もとに蘆の一茎と水面が描かれているのが特徴。達磨図の中でも人気の高い画題で、14世紀の初期水墨画の時代より好まれた。成道寺(静岡県)の一山一寧賛の蘆葉達磨図、玉蔵院(京都市)の固山一鞏賛の蘆葉達磨図などが著名である。
なお、本達磨図の賛(七言絶句)は、達磨が向いている左側から読む。達磨が二祖慧可に法を伝える時に詠んだとされる伝法偈に基づく句である