巽堂泉随(?~1808)は、江戸後期の曹洞宗の禅僧。信濃の興善寺18世など。寛政7(1795)年に總持寺普蔵院に輪住している。
八将神は陰陽道で用いられる吉凶の方位を司る神で、本図では中央に八将神の母神である歳徳神を描き、周囲に八将神を配している。両脇には各神の説明が記されている。正月には、寺社等で八将神の名を記した書を掛けてまつるが、八将神の図像は希少。
本図は、巽堂の賛や裏書によると、もともと宝永7(1710)年にこの絵の原画が描かれていて、それを寛政11(1799)年に興善寺18世巽堂の命により、画家の台嶺源明景(未詳)に描かせたものであることが知られる。