寂室堅光(1753~1830)は、江戸後期の曹洞宗の禅僧。氷壺道人と号す。諸刹遊歴ののち、長門の笑山寺の海外亮天の法を嗣ぐ。長門の妙青寺20世・功山寺24世、武蔵の豪徳寺17世、近江の清凉寺19世を歴住。また近江に天寧寺を開く。
瑞岡珍牛の法弟に当たる。珍牛の洒脱自由な人柄とは対照的に、謹厳な禅風であったという。珍牛とともに江戸後期を代表する画僧のひとりで、仏画・祖徳画を得意とし、多数の詩文・画賛を残している。また、戒法に通じ、僧侶だけではなく在家の者への理解にも尽くした。
釈尊の下山を描いた出山釈迦図。