逆水洞流(1684~1766)は、江戸中期の曹洞宗の禅僧。卍山道白の弟子智燈照玄の法を嗣ぎ、寛延3(1750)年加賀の大乗寺三八世となる。禅の戒律についての参究を深めた。
本資料は、6年間の苦行で痩せ細った釈尊が、山を下るすがたを描いた図。6年間の坐禅ののちに、明けの明星が輝くころ、ついに悟りを開いたとされている。「出山釈迦図」として、禅画で好まれる画題の一つである。釈尊の悟りを成道(じょうどう)といい、日本の禅宗ではその日を12月8日とし、「成道会」の法要を営む。降誕会(4月8日)・涅槃会(2月15日)とともに、三仏忌の一つである。
「逆水拝賛」とあるので、賛は逆水だが、画者については不明。賛は釈尊が向いている左側から読む。