京友禅の名工・上野為二がNo.27《白麻地盆栽模様帷子》の意匠を着物に落とし込んだ作品。並べて見てみると、ほぼ隙間なくモチーフが敷き詰められたオリジナルと比して、幾分すっきりとした印象となっている。意匠をそのまま真似るのではなく、描かれたモチーフをひとつずつ取り出し、当代のきものに相応しくなるように再構成していることが分かる。この着物が制作された昭和初期は為二にとって修業時代であり、過去の様々な作品を研究・模写していたという。為二は1955年(昭和30)に国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。