1936年(昭和11)秋の第20回美展に出品し、特選に入賞した上野為二の作。為二は伝統から多くを学ぶと同時に、新しい時代に即したきものの制作に取り組んだ。本作品はたわわに実った柿を画面いっぱいに大きく配置し、まるで油絵のような筆致で表している。この表現は粘り気の強い一珍糊(小麦粉を主成分とした防染糊)によるもので、糊の性質を熟知した為二ならではの技法と言われている。
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