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(左)平面ばかりつづいて家のひとつもない真一文字の道を猛スピードで走っていれば、なおさら気分も座ってくる。この道や行く人なしに秋の暮。日除けの陰で顔は緑に蔽われ、そのくせ眼の輝きはまっすぐ向こうを見つめている。野菜が少なかろうと海で魚がなかろうと恐れるにたりない。米を一粒播くとかならず三百粒の実をつける。 (右)それを辿れば間違いなく家に戻れる一つしかない煉瓦敷きの道をゆっくり歩いていればどっと笑いがとまらない。やがて死ぬ景色は見えず蝉の声。陽の光をさんさん受けた気楽な世界のただ中で影に包まれ、爪先だって歩いている。自分が茄子であるのか南瓜であるのか分からなくてもよい。一生のうちに一回きっと蝶は飛んでくる。

岡﨑 乾二郎2001/2001

セゾン現代美術館

セゾン現代美術館
軽井沢町, 日本

現代日本を代表する美術家・批評家。1955年東京都生まれ。多摩美術大学中退。1981年 の初個展に出品した「あかさかみつけ」シリーズにより注目を集める。1982年「第12回パリビエンナーレ」(パリ市立近代美術館)に出品。1986年Asian Cultural Council の奨学金を受け渡米。2002年「ヴェネチア・ビエンナーレ第8回建築展」で日本館のディレクターを務める。2007年には、現代舞踏家トリシャ・ブラウンとダンス作品を共同制作する他、その活動は、絵画・立体制作、アースワーク、建築設計、美術批評等多岐にわたる。

1990年頃より、岡崎の作品に、長い文章がタイトルとなる作品が登場する。作品タイトルの各文章は、同時に複数のストーリーに属しており、幾つものストーリーが平行して展開されている。このタイトルの文章は絵画とも平行しており、絵画自体がタイトルと同じ規則によって生成されている。

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  • タイトル: (左)平面ばかりつづいて家のひとつもない真一文字の道を猛スピードで走っていれば、なおさら気分も座ってくる。この道や行く人なしに秋の暮。日除けの陰で顔は緑に蔽われ、そのくせ眼の輝きはまっすぐ向こうを見つめている。野菜が少なかろうと海で魚がなかろうと恐れるにたりない。米を一粒播くとかならず三百粒の実をつける。 (右)それを辿れば間違いなく家に戻れる一つしかない煉瓦敷きの道をゆっくり歩いていればどっと笑いがとまらない。やがて死ぬ景色は見えず蝉の声。陽の光をさんさん受けた気楽な世界のただ中で影に包まれ、爪先だって歩いている。自分が茄子であるのか南瓜であるのか分からなくてもよい。一生のうちに一回きっと蝶は飛んでくる。
  • 作成者: 岡﨑 乾二郎
  • 作成日: 2001/2001
  • 実際のサイズ: 180.0×130.0×5.0 (2peces)
  • タイプ: Painting
  • 権利: © Kenjiro Okazaki
  • 媒体/技法: アクリル、カンヴァス
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