日本の造花の歴史は古く8世紀に編纂されたと考えられている『万葉集』にはすでに造花を詠んでいると思われる和歌があります。有職造花とは平安時代に宮中の季節の行事のために糸や布を使って作られた造花のことです。その伝統を受け継いだ最後の「雲上流」有職造花師が京都にいます。
手染めの絹に和紙を張り、何十枚か重ねて花びらの形に裁断します。花びらを裁った時に、大きさがすべて同じにならないように工夫をするのも雲上流のこだわりです。
桜色に染め、花の形に切り抜いた布に熱したコテをあてると、柔らかな膨らみのある可憐な花びらができます。目的に応じてコテを使い分けます。