松井酒造は、マンションの一階に店舗を構えています。東山三十六峰と鴨川に囲まれ、西に京都御所や下鴨神社、東には大文字山を望みます。今では洛中に残る数少ない蔵元となった松井酒造。その歴史は、江戸時代の享保11年(1726)に日本海に面した兵庫県の香住町で始まります。その後河原町竹屋町を経て、大正末に現在地である左京区吉田河原町に移りました。昭和40年代後半、近隣の地下工事の影響で酒造りの中断を余儀なくされます。伏見に蔵を移転し、複数社合同で製造にあたりました。2009年に松井酒造鴨川蔵を復活させ、現在に至ります。創業より290年間、変わらぬ精神で酒造りを続けています。