歴史
伝統を今につなぐ、二風谷イタ
沙流川(さるがわ)が流れる北海道沙流郡平取町の二風谷(にぶたに)。旧石器時代から人々が暮らした痕跡が残り、北海道内でも比較的温暖な地域です。森林資源に恵まれ、他地域との交流も活発でした。
文様で飾られた暮しの道具は、江戸時代から土産物としても尊ばれました。明治・大正・昭和期と制作されつづけ、多くの名工を輩出してきたのがこの地域。明治期にはすでに博覧会などに出品する手の込んだ大作も手掛けられました。
脈々と受け継がれた木彫の伝統に、新たな光を当てるのが「二風谷イタ」です。アイヌ語の「イタ」は盆を意味し、器をのせて運ぶ道具ですが、食べ物をもって出す皿としても使われました。