智燈照玄(1665~1739)は江戸中期の曹洞禅僧。山城宇治出身。月舟宗胡に師事し、卍山道白の法を嗣ぐ。享保2(1717)年から13年間、加賀大乗寺33世をつとめた。
この図は智燈が師月舟の頂相(禅僧の肖像画)に着賛したもの。元来、頂相は弟子が師の頂相を描き、師が頂相に賛や法語を書き加えることで相伝の証としたが、のちには祖師の遺徳を讃えたり、愛敬の念を示すものとして描かれるようになった。頂相には右向き・左向きがあるが、本図のように正面から描いた像は黄檗宗の様式の影響を受けたものとされる。
五言絶句の賛うち一句目・二句目は『宏智広録』による。