木地固めといって強度を高めるために、木地に一度生漆(きうるし)を吸わせます。生漆が乾いて木地が固まったら、木地に麻布を着せます。これを布着せ(ぬのきせ)といいます。次は地付け(じつけ)をします。「地」というのは漆と砥の粉(とのこ)と地の粉を混ぜたものです。地の粉は砂、砥の粉は粘土質の土。両方とも京都の山科で採れる山土です。「地」は、「錆(さび)」よりは少し粗いものですが、これを篦(へら)で木地につけていきます。型が整ったら錆つけを行います。砥の粉、漆、水を混ぜたものを「錆」と呼び、「錆」をつけて乾燥させます。錆つけを何回か繰り返し、下地作りは終わりですが表面はざらざらしています。