「淵明漉酒巾図賛」「牛角掛漢書図賛」「楊柳燕子図賛」「晴雪二鳩図賛」「費張房杖龍図賛」「策彦周良筆七言絶句(題不明)」の6点は、いずれも前号と同じく策彦周良の書。
うち5点は『策彦和尚詩集』に収録され、それぞれ「淵明漉酒巾図(えんめいろくしゅきんのず)」、「牛角掛漢書図(ぎゅうかくかんじょにかくるのず)」、「楊柳燕子図(ようりゅうえんしのず)」、「晴雪二鳩図(せいせつにきゅうのず)」、「費張房杖龍図(ひちょうぼうじょうりゅうのず)」と題されていることから、標記の題の絵画に付された賛であったことが知られる。金地の台紙の痕跡が見られること、また紙の大きさもほぼ同じであることから、これら6点はもともと屏風絵の賛として絵画の上部に付されていたものと推測される。とりわけ4点は『策彦和尚詩集』に続けて記載されており、何らかの意味を持つ墨蹟群であったと思われる。