やわらかく光を反射する和紙に、ふっくらと浮かび上がる文様。白地に白い文様でありながら、絵具に含まれた雲母の細かな粒子が輝きます。京都の着物文化を支えた職人の街である西陣の一角。かつて「髪」が切られた床屋は形を変え、現代のグラフィックデザインと伝統の手摺り技法によって新しい「紙」が生まれる場所になりました。それが「かみ添」です。かみ添が生みだす唐紙を使った作品は、襖紙はもとより、壁紙、ポチ袋や便箋など多岐にわたります。依頼主の想いを汲みとって形にしたデザインは、何年経っても色あせることなく、次の世代に繋がって行く。「かみ添の仕事を通し、唐紙を知ってもらうきっかけになれば。」こうして今日も新しい唐紙が生み出されてゆきます。