日本の現代美術家、グラフィック・デザイナー。1936年兵庫県に生まれる。1960年代からグラフィック・デザイナーとして活躍し、60年代後半になると土方巽や唐十郎、寺山修司らの舞台のポスターを手掛け、独自のスタイルを確立する。また、写真家・細江英公、作家・三島由紀夫、映画監督・大島渚らと共同制作を通じて親交を深める。日本的なポップと前衛を融合させた独自のスタイルは人気を博し、1972年ニューヨーク近代美術館で個展が開かれるなど、海外での評価も高まる。1980年ニューヨークで観た「ピカソ展」に衝撃を受け、絵画制作の方向を見出す。1981年「画家宣言」を行い、それ以降は「美術家」として絵画制作を主軸とした創作活動を展開している。
本作は、フラ・アンジェリコの《受胎告知》を下敷きにした絵画である。タイトルの「解かれた第七の封印」とは、世界の終わりについて語られている新約聖書の「ヨハネの黙示録」第6章から引用している。画面右下には横たわる女性から生まれ出てきた両性具有の人物が、大天使ガブリエルの方に手を伸ばしている。ここでは、世界の終末を舞台にした画家(=横尾自身)誕生の物語が描かれている。