1960年代までの移民の渡航はもっぱら航路にたよっていた。特に南米への集団移住では横浜や神戸を出港する移民船が活躍した。しかし、空路の発達にともない、移民船は主役の座を追われることになる。また、1960年代の日本の高度経済成長は、国内での豊かな生活をもたらし、海外移住を減速させる原因となった。南米への最後の移民船となったのは、1973年2月14日、285人の移住者を乗せて横浜を出航した「にっぽん丸」で、「にっぽん丸」は二代「あるぜんちな丸」を改装した客船であり、世界一周クルーズの客も多数乗船していた。ちなみに、神戸港からの最後の移民船は、1971年5月3日に出航した「ぶらじる丸」である。