「浦島太郎」の物語を題材にした作品。左幅は浦島がかつて漁に勤しんでいた海、中幅では宴の後なのか、眠りに就く舞姫たちと浦島太郎。そして右幅では玉手箱を開けて老いと死を迎える結末を暗示しているようです。当時、東京では画家たちが率先して歴史画に取り組んでいました。本作は非常に幻想的で、京都の画家たちも遅れをとるまいと歴史画を描く上で独自の工夫を重ねていたことがわかります。兵庫の二見の海に遊んだときの印象を菊池契月(1879-1955)が昇華させて第9回文展に出品し、二等賞を受けた代表作です。
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