京都には「西陣織(にしじんおり)」という日本を代表する織物があります。西陣と呼ばれる地域で作られる12種類の織物がその対象であり、その中のひとつである「絣織(かすりおり)」のことを「西陣絣」と呼びます。織物は経糸と緯糸を織って作られます。その経糸を手括りで防染して染め、組み替えたりずらしたりすることで模様を作り出す西陣織が「西陣絣」です。
最盛期の昭和30年代には約300人もの絣加工師がいましたが、現在はたった7人。40 代の若手が 1 人いますが残りの6人は高齢者で、後継者不足の問題を抱えています。 伝統を守るだけでなく新しい活用法を見出し広めていくため 、西陣絣の新たな物づくりが始まりました。
職人の高齢化と後継者不足に直面する西陣絣ですが、伝統を守り新しい活用法を広めるため、新たな物づくりが始まりました。着物や帯といったこれまでの用途に加え、普段使いしやすいデザインのバッグや眼鏡ケースなどが制作されています。また、シルクだけではなくコットン素材も試みられています。