津軽塗

津軽塗の歴史は、約300年前の江戸時代元禄年間まで遡り、津軽藩四代藩主信政（1656～1710）の時代に、津軽藩召し抱えの塗師池田源兵衛によって始められたと伝えられています。江戸時代を通じて津軽藩の保護・育成の下、主に藩の調度品として用いられてきましたが、明治初期に産業として確立した後は、人々に親しまれる愛玩品として幅広く使われるようになり、今日に至っています。

津軽塗の代表格であり、現在最も多く生産されています。 唐塗独特の複雑な斑点模様は、何度も塗っては乾かし、そして研ぐという作業を繰り返し、 全部で四十八の工程から生み出されます。完成までには最低でも一ヶ月半～二ヶ月を要します。

津軽塗の技法の一つ、紋紗塗は、黒漆の模様に紗（津軽地方ではもみ殻のことを紗と呼びます）の炭粉を蒔き、 研ぎ出して磨き仕上げされた高度な技術を要する塗です。