1941年に大阪で生まれた安藤忠雄は世界を代表する建築家の一人とされている。彼を知るための5つのことを紹介。
ボクサーとしての経験は、自らをストイックに追い込みつつ、静かに燃え続ける闘争心を育て、その後の建築家としての安藤に大きな力を与えた。
寡黙なコンクリートの表情、単純な幾何学的構成、光によって取り込まれる自然。これらは「永遠性」を主題に、躍動する自然を映し出すための無地のキャンパスのような空間を指向する、安藤の建築の多くに見られる特徴である。
規模も環境も様々な建築を多く手がけてきた安藤忠雄。なかでも教会や寺院などの祈りの空間は、近代建築が発展させた幾何学的な空間構成を継承しつつ、自然といかに共生するかという安藤の目指す建築観が強く反映されている。
安藤忠雄は世界中で様々な規模の美術館や劇場などの文化施設を手がけている。直島では、地中に埋まる美術館「地中美術館」など多くの建築を設計。
Bourse de Commerce / Pinault Collection19世紀に描かれた装飾的な天井画と、寡黙な表情を見せる安藤によるコンクリートの壁。「過去から現代、未来へと時をつなぐ建築」。
フォートワース美術館シンプルな直方体ボリュームが連続する現代美術館の姿からは、端正な幾何学を巧みに組み合わせることで豊かな空間を実現するという安藤建築の特性がよく現れているだけでなく、隣接するキンベル美術館との対話が感じられる。
安藤は次世代のための社会活動も積極的に行なっている。2004年に始動した「桜の会・平成の通り抜け」プロジェクトは最終的に3,000本もの桜が新たに植樹された。
今、私たちは極めて変化の激しい不安定な時代を生きています。そして皆、「この世界がどこに向かおうとしているのか」と、答えを必死で探しています。
しかし、こんな時だからこそ、考えるべきは、変わりゆく世界の中でも変わらない、あるいは、変わるべきではない、人間文化の本質、原点ではないでしょうか。
時代の潮流を読むばかりでなく、ときには自ら流れをつくり、路を切り拓いていく覚悟と勇気が必要です。
若い人たちには、とにかく今を精一杯生きろ!そうして、その緊張感を、人生の最期まで保ち続けるべき、内なる力を養え!とエールを送りたい。未来はあなた達が創るのです。
若くない人もそれを眺めているだけでは駄目ですよ。年を重ねても、心は青いまま、目標をもって、希望の光を追う限り、「青春」を生きられるのですから。
老いも若きも変わりません。目指すはいつまでも熟することなく、挑戦の日々を生き続ける「青リンゴ」の人生です!- 安藤忠雄