Santiago cake made by Tartas La Abuela(2021)Regional Government of Galicia
巡礼の道で試すことが出来るスイーツの中でも、タルタ・デ・サンティアゴは、歴史、人気、味が最も良くまとまった一品です。フィリングに小麦粉が入っていない、アーモンドのタルトで、そのため、他のスイーツとは異なります。
Pazo de Mariñán(2013)出典: Axencia Turismo de Galicia
最初にこれが文献に記録されたのは、1577年で、「王室のタルト」と記載されています。それは、アーモンドや砂糖などのエキゾチックな食材を料理に取り入れたいという、16世紀から18世紀の裕福な家庭の思いから生まれました。招待客への賛辞として、またあっと驚いてもらうための、裕福さと権力の象徴でした。
Cea bread, Galician bread and Santiago cake(2020)出典: Axencia Galega da Calidade Alimentaria
2006年以降、その製造工程は、保護地理的表示(IGP)「タルタ・デ・サンティアゴ」によって規制・保護されています。
Santiago cake made by Tartas La Abuela(2021)Regional Government of Galicia
美味しいタルタ・デ・サンティアゴの作り方を知るために、Tartas La Abuelaに行きます。ここの職人は、IGPの指示を守り、ジューシーで、香り高く、味わい深いタルトを作っています。キーポイントをお伝えしましょう。
Santiago cake made by Tartas La Abuela(2021)Regional Government of Galicia
材料
タルタ・デ・サンティアゴは、2つの方法で作る事が出来ます。1つはタルト台で作る方法で、もう1つは台なしで作る方法です。Tartas La Abuelaのタルトは、パートブリゼを敷くので、材料は、フィリングとパートブリゼ生地に分かれます。フィリングには
砂糖 33%
卵 33%
アーモンド 33%を使います(注意しましょう、地中海産のアーモンドが他の物に比べて脂肪分が多く、よりジューシーな出来上がりになります)
そこに少しだけモスカテルワインを入れましょう。
直径23センチの型の場合、
- 砂糖 175グラム
- 卵 175グラム (約3個)
- アーモンド 175グラム
- モスカテル 8グラムです。
同じ型に対し、パートブリゼ生地には
- バター 55グラム
- 小麦粉 100グラム
- アーモンドパウダー 10グラム
- 卵 1個を使います。
Santiago cake made by Tartas La Abuela(2021)Regional Government of Galicia
作り方
最初にまず型に生地を敷きます。Tartas La Abuelaでは、生地を混ぜて、捏ねる工程は機械化されています。ご自宅で行われる場合、生地が均一に混ざる方法で行いましょう。丸く、浅い型を使い、型の底を生地で覆います。生地に少し穴を開けます。
Santiago cake made by Tartas La Abuela(2021)Regional Government of Galicia
次にフィリングの材料を混ぜます。アーモンドは、薄切りにしますが、粉々にならないようにしましょう。卵は全卵を使います。手で混ぜる事で、アーモンドは全部形が崩れることなく、ふわふわで、粒を感じる食感が出来ます。
Santiago cake made by Tartas La Abuela(2021)Regional Government of Galicia
タルトのフィリングを詰めます。型にフィリングを優しく入れ、手を使って、端まで入れます。さあ、オーブンに入れる準備が出来ました。
Santiago cake made by Tartas La Abuela(2021)Regional Government of Galicia
オーブンはそれぞれ異なりますが、Tartas La Abuelaは、タルトを160度で、38分から40分焼きます。
Santiago cake made by Tartas La Abuela(2021)Regional Government of Galicia
黄金色になったら、乾燥して焼き過ぎないように、オーブンから取り出します。後は、最後の仕上げのみです。
Santiago cake made by Tartas La Abuela(2021)Regional Government of Galicia
仕上げ
約1世紀前に、コンポステーラのケーキ職人ホセ・モラが、タルタ・デ・サンティアゴは、聖ヤコブの十字架で飾り付けるという「革新」を導入しました。タルトの上に型を乗せ、粉砂糖を振りかけます。
Santiago cake made by Tartas La Abuela(2021)Regional Government of Galicia
型を外すと、十字架の形が残り、サンティアゴ・デ・コンポステーラとの関連性について明白です。こうして、ガリシアや巡礼の道を歩いた人々に非常に愛されているタルトが完成します。