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萬屋

JICA横浜2022

JICA横浜(独立行政法人国際協力機構 横浜センター)

JICA横浜(独立行政法人国際協力機構 横浜センター)
Yokohama, 日本

ある地域に在住する日本人移住者の数が増えると、まず中心地に「日本人町」がつくられ、在住者の生活に必要な商品を売り、彼らにサービスを提供するさまざまな商店が、日本人により営まれることになった。そのような店のなかで、「萬屋」はもっとも重要なものの一つであった。合衆国オレゴン州フッドリバーで1900年代後半に、安井益男と兄がはじめた雑貨店は、その典型的な例である。フッドリバーに居住するようになった日本人移住者の多くは、最初は林業や製材所で下働きをしながら、が伐採されて根株が残された山肌の土地を開墾し、林檎や梨を植えつけて果樹園を借地経営するようになった。安井兄弟の雑貨店は、フッドリバーに居住する日本人農家だけではなく、近隣の農村に住む日本人農家に、日本食料品、鍋釜や衣服などの生活必需品、鎌や鋤などの農機具、大工道具、子供用の駄菓子、それに陶器や人形など、ありとあらゆる商品を供給した。その他、この地方の果樹園や農園経営者が必要とする季節労働者や臨時雇いの斡旋、居住者の日本への旅行の世話などのサービスも提供した。さらに、益男は、保険代理業や土地売買にも関与していた。英語に堪能な益男は、フッドリバー日本人コミュニティーの指導者として尊敬され、奥州日本人会の理事に選ばれた。

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  • タイトル: 萬屋
  • 作成者: JICA横浜
  • 作成日: 2022
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