パラグアイのイグアス移住地は、アルゼンチンとブラジルの国境に接するイグアスの大瀑布から西へ約70kmの地点に位置している。1960年日本海外移住振興株式会社によって購入され、当初、面積は8万7,762ha(東京の1/3の広さ)であったが、下流のダム建設に伴う水没により現在は約7万haである。入植は1961年からはじまり、原生林の開墾を進めながら、野菜栽培、養鶏、養豚、牧畜、果樹栽培等の多様な取組みが行われ、1980年代には大型機械化農業による大豆、小麦の栽培が主流となった。強い雨による土壌侵食を防ぐために不耕起栽培(耕さずに播種する栽培技術)がパラグアイで初めて導入され、土壌を保全し収益性の高い技術として定着し、日系農家から全国に普及した。2000年代からは製粉工場の運営等、生産物の付加価値化の取組みもはじまった。