指揮者、ピアニスト、作曲家
レナード・バーンスタインの録音の経歴は主に、大きく3つの段階に分かれます。 まず最初に、1958年、ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の音楽監督に就任します。 その期間に録音されたアルバム『Wunderkind』は、指揮者そしてピアニストとして、様々なレーベルに収録されています。
レナード・バーンスタイン(1988) - 作者: © Susesch Bayatドイツ・グラモフォン
巨匠バーンスタインの第2章は、200を超える作品の録音です。
彼は熱狂的なほどのエネルギーで珍しいレパートリーの録音に臨み、主流作品においてはその演出に活気を与えました。
第3章は、ヨーロッパでのウィーン・フィルハーモニーとの長年の関係です(24年間で197回のコンサート)。その中では主に主流作品が演奏されました。
ドイツ・グラモフォンでの録音
ドイツ・グラモフォンにおける、レオナルド・バーンスタインの最も後期の録音は(カルメン“Carmen”から始まる)、マーラーの一連の作品を含む、ベートーヴェン、ブラームスそしてシューマンの交響曲です。
"カルメン(Carmen)"
1972年、バーンスタインは、ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet )を録音しました。 その中で初めて、オペラでの会話部分にステレオ技術が使用されました。 この録音はドイツ・グラモフォンにおける彼の最初の録音になります。
レナード・バーンスタイン(1987) - 作者: © Arthur Umbohドイツ・グラモフォン
1979年、バーンスタインは、マーラーを取り上げた二回のコンサートで、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を初めて指揮し、『マーラー:交響曲第9番』を演奏しました。
元々ラジオ用に録音されたコンサートの一つは、バーンスタインの死後、ドイツ・グラ裳フォンによりCD化されました。
『ウェストサイドストーリー/ West Side Story』(1988) - 作者: © Susesch Bayatドイツ・グラモフォン
1984年、いまだ作品の全曲を通して指揮したことのない『ウェストサイドストーリー/ West Side Story』を指揮し、歌手の Kiri Te KanawaとJosé Carrerasと共に録音しました。
この録音は世界的な大ヒットとなりました。
ベートーヴェンの伝道者
ベートーヴェンは、常にバーンスタインのレパートリーの中心でした。 その中でも『交響曲第9番』は特別な機会の時に選ばれました。 全てのコンサートの中で、最も有名なものは1989年12月に、西ベルリン、東ベルリン両方で行われた、ベルリンの壁崩壊を祝ったときのものです。
レナード・バーンスタイン(© Siegfried Lauterwasser)ドイツ・グラモフォン
バーンスタインが初めて『ベートーヴェン:交響曲第9番』を指揮したのは1950年です。
そして彼は、この重要な機会について両親に手紙を書きました。
「初めての、ベートーヴェン 第9番は成功だったよ。僕はこのイベントについて、本当に心配していたんだ。それは全ての指揮者にとっての最大の試練だ。でも、コンサートは本当に興奮するものだった。
ソロ・カルテットは今まで聴いた中で最高のもので、合唱は驚くほど素晴らしかった。オーケストラは今までにない位に最高だった。 その仕事をするのは、なんて素晴らしい経験なんだ! 」
最後のコンサート
バーンスタインが指揮者として最後のコンサートを行ったのが、1990年8月19日のタングルウッドで、ボストン交響楽団を指揮しました。 咳による苦しみが、ベートーヴェン:交響曲第7番 3楽章 の演奏中に襲いましたが、彼は最後まで指揮をやり遂げました。しかし、ステージでの最後の大喝采を離れるときには、明らかに彼は痛みで疲れ切っていました。 このタングルウッドでの録音は後ほど、ドイツ・グラモフォンが “Bernstein – The Final Concert”としてCDにしました。
レナード・バーンスタイン(1981) - 作者: © Susesch Bayatドイツ・グラモフォン
バーンスタインは死後の録音も合わせ、グラミー賞を様々なカテゴリーにおいて計16回も受賞し、また1985年にはthe Lifetime Achievement Award (生涯業績賞) も受賞しました。
Text: Nigel Simeone