ドイツ・グラモフォンのロゴの歴史

ドイツ・グラモフォンのビジュアル・アイデンティティの進化

An advertisement of Deutsche Grammophon(1904)ドイツ・グラモフォン

最初のドイツ・グラモフォンの商標(トレードマーク)

1898年12月6日、ベルリナー兄弟はドイツ・グラモフォンを創設しました。 そのオリジナルトレードマークは『録音する天使』(Schreibender Engel)でした。

Logo "the Recording Angel"ドイツ・グラモフォン

録音する天使のトレードマークは、グラモフォンにも飾られました。

one of many early gramophone models(1900s)ドイツ・グラモフォン

絵画『His Master's Voice』(彼の主人の声)

1900年10月にドイツ・グラモフォンは、画家フランシス・バロウドが描いた、フォノグラフのホーンの前に座った犬の絵『His Master's Voice』をトレードマークとして登録しました。

Logo of Deutsche Grammophon(1900s)ドイツ・グラモフォン

ニッパー

この小さなテリア犬はニッパーと呼ばれていて、マーク・バロウドというステージデザイナーと、イギリスのブリストルに一緒に住んでいました。 彼らはよく一緒に音楽を聴きましたが、マークは亡くなってしまいました。 マークの死後、彼の弟のフランシス・バロウドがニッパーを引き取りました。 フランシスは、彼がフォノグラフで音楽をかけると、ニッパーがやってきてその前に座ることに気がつきました、まるで、亡くなった主人と一緒に聴いていた頃のように。 その風景に感動したバロウドは、ニッパーがフォノグラフを聴いている所を絵に描きました。彼はその後、絵をフォノグラフからグラモフォンに描きなおし、エミール・ベルリナーの会社に販売しました。

カルーソー /『Un di, all'azzurro spazio』(1907)ドイツ・グラモフォン

この写真は、たくさんの78回転レコードの中の一枚で、カルーソー(1873-1921)の歌声を録音したものです。

An encyclopedia of Deutsche Grammophon Gesellschaftドイツ・グラモフォン

イエローレーベル

1948年以降、ドイツ・グラモフォンは取り扱う音楽によって、3つの事業に分け、それぞれがビジュアル・アイデンティティをもちます。 ポピュラー音楽はポリドール(Polydor)という名前で赤色、初期の音楽はアーカイブ(Archiv)で銀色、そして中心となるクラシック音楽はドイツ・グラモフォン(Deutsche Grammophon)で黄色です。

"チューリップの王冠"のオリジナルスケッチ(1940) - 作者: © Hans Domizlaffドイツ・グラモフォン

このチューリップのロゴは1949年に誕生しました。
こちらは Hans Domizlaff(1892-1971)によってデザインされた "チューリップの王冠"のオリジナルスケッチです(トレーシングペーパーに鉛筆で描かれている)。

Eugen Jochum: Jean Sibelius(1951)ドイツ・グラモフォン

"チューリップの王冠"

一方、『His Master's Voice』のトレードマークは、EMIのドイツ支店であるエレクトローラへ譲渡されました。 時代が移り変わる中でも、会社のロゴと同じ伝統的な書体が、トレードマークとして使われました。 中央の黄色のバンドと、そのトレードマークは、1950年代のドイツ・グラモフォンのレコードスレーブの特徴でした。

Rafael Kubelik: Gustav Mahler - Symphonie Nr. 1 „Der Titan“(2015)ドイツ・グラモフォン

レコードのラベルの縁に描いてあるチューリップの絵は、ストロボ効果を作り出すように描かれており、それによりターンテーブルの回転速度が適正か確認できます。

Berlin Philharmonic with Karajan: Strauss - Also Sprach Zarathustra.(1958)ドイツ・グラモフォン

60周年記念日の前夜に、イエローレーベルは新しい形の、Cartouche(カートリッジ、ドイツ・グラモフォンの名前の入った枠)を作成しました。(黄色の背景に、白いラインと黒の文字)。
ドイツ・グラモフォンのトレードマークの特徴は、3行で描かれた文字と、頂上のチューリップの王冠でした。

CD pack Deutsche Grammophon Originals( ©DG)ドイツ・グラモフォン

チューリップのエンブレムは、現在でも歴史的な録音のために使われています。

Logo "120 Years Deutsche Grammophon"(2018)ドイツ・グラモフォン

そして、今は?

ドイツ・グラモフォンのビジュアル・アイデンティティは長年にいたって変化し、発展してきました。 ここでお見せするのは、ドイツ・グラモフォンの創立120年を記念して作られた特別なロゴです。

提供: ストーリー

Text: Rémy Louis

提供: 全展示アイテム
ストーリーによっては独立した第三者が作成した場合があり、必ずしも下記のコンテンツ提供機関の見解を表すものではありません。
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