長野県に設置したタイムラプスカメラ東京大学
あなたは森をどれくらい見ていますか?
私たちが日々の生活を送っている間に、森にも同じように時間が流れ、様々なことが起きています。こう考えると、森に流れる時間の大部分を私たちは見ていないことになります。そこで、森にカメラを置いてみましょう。
富士癒しの森に設置されているサイバーフォレストのカメラとマイク東京大学
森に置いたカメラは、私たちの代わりに、森のあらゆる出来事を観察し続けてくれます。雨の日も風の日も、もちろん陽の光降り注ぐ穏やかな日も、ずっと、ずっと。
そんな健気な「森のカメラ」は、私たちにどんな森の姿を見せてくれるのでしょうか?
私たちは森を訪れると、まるで私たちのために森があるような気分になりがちです。しかし、実際には様々な動物たちの棲み家であることを、森のカメラは私たちに教えてくれます。
秩父演習林サイバーフォレストサイトへ続く階段東京大学
カメラが私たちに見せてくれる森の姿は、確かに現実の出来事です。しかし、私たちはそれを直接ではなく、あくまで「森のカメラ」を通して見ることになります。
「森のカメラ」が創り出すもう一つの本物の森、それがサイバーフォレスト。そこで私たちは、未知なる自然の姿を垣間見ることになります。
森は年によって、まったく異なる姿を見せます。この映像に映っている秩父のブナの木は、2000年にはたくさんの花を咲かせましたが、2002年には全く咲かせませんでした。
サイバーフォレストの撮影対象となっている秩父演習林の桜東京大学
私たちの身近な春の風物詩である桜の花も、咲くタイミングは年ごとに様々であることが、サイバーフォレストを通して見えてきます。
インターネットの先にある本物の自然
手元のパソコンやタブレット、スマートフォンを通して、いつでもどこからでもサイバーフォレストにアクセスできます。20年以上にわたり桜の開花状況を観察すれば、毎年の気温との関係も見えてきます。
あるときは大きな紙に印刷して、またあるときはタブレットのアプリを使って。現実の森と同じように、サイバーフォレストの楽しみ方も様々です。
長野県での定点撮影画像を用いたワークショップ東京大学
子どもだけでなく大人でも、自然の真の姿を直接見る機会はそう多くありません。サイバーフォレストは、未知なる自然との邂逅という、深遠なる学習の機会へと、みなさんを誘ないます。
ぜひ、以下のウェブサイトを訪れてみてください。サイバーフォレストを通して、本当の意味での自然の素晴らしさを探しに行きましょう。
https://www.cf4ee.jp/
写真:中村和彦、サイバーフォレスト(東京大学秩父演習林)
動画:サイバーフォレスト(東京大学秩父演習林)
企画:斎藤馨、藤原章雄、中村和彦
編集・制作:中村和彦